メディア・ユニバーサル・デザインとは?【文字編】 例と一緒に解説!
いろんな広告が街中に並ぶなか、皆さんが読みたくなる文字はどんな書体ですか?
目を惹かれる伝わりやすい色は、どんな色でしょうか?
そしてそして、文字と色が密接に関わった「メディア・ユニバーサル・デザイン(MUD)」を知ってますか?
私たちが普段から見ている広告の色や文字は、鮮やかで美しいもの、細かい文章がきれいに並べられているものなど、消費者の様々な視点を狙って作られています。
しかし、それは見る人によっては、時に見づらく、比較や判断しづらい文字選び・色使いになっていたりするのです。
「え?大体みんな同じ様に見えてるんじゃないの??」
「赤は赤、緑は緑。文字だって、少し小さくてもちゃんと見えるし問題なし!」
しかしそれは、本当に共通した当たり前でしょうか?
そこで!今回は、知って損なし!
皆に優しいメディア・ユニバーサル・デザイン【文字編】を、3つの実例と一緒にお伝えします!
そもそも文字が見づらいってどういうこと?
高齢になると「老眼(文字がつぶれて見えづらい)」「白内障(文字がかすれて見えづらい)」の方がぐっと多くなってきます。
老眼は40代から進行し、白内障は50代で50%、60代で60%〜70%にも及びます。
また、「色覚障がい(特定の色が判別しづらい)」の方は、日本国内でおおよそ300万人以上、割合でいうと男性の5%(20人に1人)、女性の0.2%(500人に1人)いるといわれています。
こう考えると、かなりの割合で、文字や色に対して不便さを感じる人がいることが分かりますね。
そもそも、どこに不便性を感じるのか?
「文字が小さく、行間も狭いから読みづらい・・・」
「背景と文字が同系色で、判別しづらい・・・」
これらは、高齢者の方や色覚障がいを持つ方々にとっては大きなストレスとなります。
では、どうすれば不便さをできるだけ軽減し、見やすく伝わりやすい広告・デザインにできるのでしょうか?
実例1:実際に文字はどのように見えている?
中高年層になると目の調節力が弱まり、近くのものに焦点を合わせづらくなってきます。
これが「老眼」で、ぼんやりと文字がつぶれて見え、小さい文字や行間が狭いものを読むことが困難になります。
また「白内障」は、年齢とともに、目の水晶体が次第に白濁することにより発症するもの。
視界が全体的に黄色く濁り、文字がぼやけたりかすむため認識しづらくなります。
伝える仕事であるデザイナーとして、自分以外の人たちがどんな風に見えているのか、知っておきたいものですね。
実例2:見えやすい文字を選ぼう
こうした不便性を少しでも軽減するために、ユニバーサルデザイン(UD)フォントの開発・使用が進んでいます。
ユニバーサルデザイン(UD)フォントとは?
ユニバーサルデザイン(UD)のコンセプトである、「できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザイン」をもとに作られたフォントのこと。
生活の中で「使いやすさ」「見やすさ」など細部まで配慮・工夫されたデザインになっています。
ユニバーサルデザイン(UD)フォントは、次の4つの特性を重要視して作られています。
視認性:一つ一つの文字が見やすいか
判読性:2つ以上並んだ時に、違いがわかるか
デザイン性:統一性があるフォントになっているか
可読性:長文で並んだ(文章)時に、読むことができるか
視認性・判読性としては、一文字の中の白場を大きくとること、ぼやけても違いがわかりやすいものになっています。
また、デザインもシンプルなものになっていて、大きくはっきりとしたフォルムで、文章になった場合の可読性も失いません。
本当によく考えられていますね・・!
実例3:文字は適切なフォント・サイズ・行間を使おう
自分が読めるからといって、適切な文字サイズとは限りません。
読み手の年齢層や伝えたい内容を考慮してデザインしましょう!
文字サイズの目安
16歳〜50歳くらいの方(老眼前):9〜10ポイント
小学校 中〜高学年、中高齢の方(老眼):10.5〜12ポイント
また、文字サイズ・行の長さに合った行間を設定することも見やすさをUPさせる重要なポイントです。
行間の目安
文字サイズに対して、0.5〜0.8ポイント分あける(あけすぎてもNG)
「これはお洒落なデザインにしたいから、フォントはこれじゃないとダメなんだよ!」
なんて方も、多いかと思います。
すべてユニバーサルデザイン(UD)フォントにする必要は、もちろんありません。
「ここ、読みづらそうだな〜」
「文字小さくしたら、急に読みにくくなったな・・」
そう感じた部分だけでも、ユニバーサルデザイン(UD)フォントに変えるだけで、読みやすさはグッと高くなります。
例えば、商品の説明文、価格表記、注記などなど・・ちょっとした工夫をできると良いですね!
視点を幅広く持とう
いかがでしたでしょうか?
同じデザインでも、人によってこんなにも見え方は異なっているのですね・・
皆さんも幅広い視点を持てる、優しいデザイナーさんになってください!
さてさて次回は、メディア・ユニバーサル・デザインの「色」についてご紹介します。
お楽しみに~!
次の記事はこちら >> メディア・ユニバーサル・デザインとは?【色編】
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この記事を書いた人

大阪芸術大学デザイン学科にてグラフィックデザインを学び、企画デザイン1期生として入社。
チラシ、パンフレット、名刺など販促デザインを中心に手がけ、現在3年目に突入。
好きなものはネコとフライドポテト。手探りながらも、日々奮闘中!
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神戸市 中小企業柱巻広告デザインコンペ2016 最優秀賞受賞
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儲かりアドバイザー上野健二